ジャズピアノへの近道なんて本当はないんです。
音楽の世界はジャズに限らず天才的な音楽家がいます。天才的な演奏家は、元々才能があるだけではなく、凡人には想像できないほど多くの練習時間やエネルギーを人生の中で費やします。
自分がこの世界に身を置いてみると、身近にもすごい方々がたくさんいらして、それはそれでとても幸せなことなのですが時々我が身を振り返ると色々な意味で心が折れる時もあります。
でもだからと言って、天才的な才能がなければジャズができないと言うわけでもなく、一握りの天才だけがマジックを使って演奏しているわけでもありません。
そのための方法が存在し、誰もが学習し練習することによって少しずつできるようになっていくのです。
でも今や巷には色々な情報があふれ、何をどのように取り入れたらできるようになるのかを選択することから始めなくてはいけません。
長い間講師を務めていたメーザー・ハウスという音楽学校にも、迷った生徒さんたちがたくさん来ました。
そういう生徒さんが、どうやったらジャズピアノを弾けるようになるのか、師匠から教えていただいたことや自分自身が演奏していく中で悩んで練習してきたことを振り返りながら、長年にわたって考えてきました。
今までの長年の講師経験と演奏経験の中で考えてきた練習法や今現在悩んで考えていることなどを、「ジャズピアノを弾いてみたいな」「ジャズピアノってどうやるんだろう?」「ジャズってかっこいいけど難しそうだな」とジャズピアノに興味を持っている方々と共有できたらいいなと思います。
私も長い長い道のりを歩いている途中で、わからないこともたくさんあるし日々考えながら方法を探って練習したり演奏したりしています。
ジャズへの近道なんてないけど、でも、自分の経験が少しでも同じ志を持つ方のヒントになって、効率よく上達するためのお役に立てたら幸いです。
2020年9月 渥美 知世