ご婚礼での演奏|臨機応変な対応が求められます

ピアニストの演奏の仕事として、ご婚礼での演奏というお仕事があります。ホテルやレストランでの結婚披露宴での演奏です。ソロでの演奏もあればデュオでの演奏、トリオでの演奏など編成はその時によって様々です。

その時々によって演奏する内容や量は違いますが、共通しているのは臨機応変に対応する能力が必要であることです。

まずは、お客様をお迎えする迎賓での演奏。時間は決められてなくて、10分位のこともあれば30分位のこともあります。その間にMCのコメントが入ることもあり、その時は音数を減らしたり音量を下げる必要があります。

新郎新婦の準備が整ったらご入場。ここが一番緊張するところでしょうか。新郎新婦がお席に着くまで演奏し、挨拶をされ着席するタイミングで演奏を終了します。

その後は乾杯のファンファーレ的な演奏。ここ派手に盛り上げます!

それに続いてご歓談中のBGM。ここでは割と思い切り自由に楽しんで演奏しちゃいます。

そしてケーキ入刀での音楽。入刀のタイミングでクライマックスになるように流れを作ります。最近はファーストバイトというセレモニーも定番なのでそこでも盛り上げる必要があります。

その他には、お色直しのための退場、入場。入場の時はキャンドル・サービスがあることもあり、ここも、どの位の時間がかかるかその時でないとわかりません。

それ以外にも、新婦からご両親へのお手紙朗読の時の演奏もあります。ここ、あまり気持ち入れ過ぎると危険です。私、お母様への手紙のところで泣いてしまったことがあります。それ以来、手紙の内容をあまり聞かないようにしています。

全てざっくりと流れは決まっていますが、その時々での微調整が必要になり、その場の雰囲気や動向を見ながら臨機応変に演奏を合わせていきます。この、その場の雰囲気や動向を見ながら演奏をするということこそが実はジャズの精神そのものなのです。ですから多くのジャズ・ミュージシャンがこのお仕事しています。周りのタイミングを見計らって演奏するのとても上手です。それこそがジャズなんで・・・

そして、実は、ライブでの演奏の仕事よりダイレクトにお金を稼ぐことができるというメリットもあるんです。

それはさておき、幸せのオーラに包まれた空間での演奏はこちらまで幸せな気持ちになり、とても素敵なお仕事です。

この記事を書いた人

tomoyo atsumiのアバター tomoyo atsumi Jazz Pianist / Composer

音楽学校で30年間にわたり講師を務めてきた経験をお伝えするために当サイトを執筆、運営しています。ポピュラー・ピアノやジャズ・ピアノを弾けるようになるために取り組んできた方法や知識を中心に読者の皆さまのお役に立つ情報を公開しています。

目次
閉じる