クルーズ客船上での演奏

あ〜あの頃は平和だったなぁとつくづく思います。

ここ10年近く、毎年一回はクルーズ船上での演奏のお仕事をいただいていました。2020年1月6日、年末年始クルーズを終えて横浜ハンマーヘッドにて下船した時は、まだ世の中が平和で、またきっと年末あたりには乗船できるだろうなぁと思っていました。しかし、その後まもなくクルーズ船上での感染騒動が起こり、それから徐々に日本においても感染が拡大し今まだ収束がいつになるのか見えない状況の中では、いつ次に乗船できるのか全くわかりません。

船上のピアニストは一日中忙しくハードな仕事なのですが、そこでしか出来ない経験も多く、こうなってみると改めて「また乗りたいなぁ、早く船上で演奏したいなぁ」としみじみ思います。

クルーズ船のハウスバンドとしての仕事では、色々なシーンでの演奏が求められます。

終日航海の日は、お客様に一日中退屈しないで楽しんでいただけるように、船上では色々な催しが行われています。そんな日のスケジュールは、例えばこんな感じです。

7時起床 シャワー  

8時10分頃から、ダイニングルームで朝食。これが楽しみで頑張って早起きします。野菜とフルーツをたっぷりとります。

朝食後は隣のカフェでメンバーとお茶しながらその日のスケジュール確認をして、部屋にもどったら、午前の演奏の為に選曲し譜面を揃えて衣装にお着替え。

11時から、午前のロビーラウンジ演奏。ベースとデュオで始まり後半はパーカッションも入りトリオに。

11時半、演奏終了。一度部屋に戻ってお着替え。

12時15分から、ダイニングルームでランチ。またこれが美味しくて、適量で、バランス良くて、デザートもちょうど良いサイズで、幸せな時間。その後、隣のカフェでお茶しながらメンバーとミーティング。

部屋に戻ってお洗濯。

夕方のライブ演奏の選曲。

カフェに行ってお茶とケーキタイム🍰夕方の演奏がある時は夕食は抜きです。

部屋に戻ったら、譜面を揃えてまた衣装にお着替え。午前のライブとは別の衣装にします。

19時から、昼間とは別のラウンジでライブ演奏。夜なのでトリオでがっつりスタンダードジャズを。

部屋に戻って又別の衣装にチェンジ!

20時から、その日のメーンショーを観賞。これも楽しみの一つです。色々な分野のエンタメが観賞できて勉強になります。

終わったらそのままステージ裏に移動して演奏のスタンバイ。ダンスタイムでダンスバンドとして毎夜演奏します。

22時半にダンスバンド演奏が終わると、ようやく一日の仕事が終わり、ダイニングルームでお夜食タイム。小鉢でのおうどんやお蕎麦やラーメン、おにぎりやサンドイッチやフルーツなど少しずついただきます。一日の中で一番ホッとする時間。

その後、部屋に帰ってシャワー浴びたり、リラックスするためにちょっと飲んだりして、寝るのはだいたい1時前後になります。

おや?なんか割とヒマそう?食べたり飲んだりしてばかりいる?でも、本番の選曲したり、譜面揃えたり、何度も衣装を着替えたり、結構一日中バタバタしているんですよ。

時には、夕方にカクテルパーティーでの演奏が入ったり、私たちのバンドがメーンショーを務めたり、船では色々なイベントがあるのでまだ他にも色々なシーンでの演奏が入ってきます。

こんな事を思い出していたら本当にまたすごく乗船したくなりました。そんな平和な日々はいつ戻ってくるんでしょうか?

この記事を書いた人

tomoyo atsumiのアバター tomoyo atsumi Jazz Pianist / Composer

音楽学校で30年間にわたり講師を務めてきた経験をお伝えするために当サイトを執筆、運営しています。ポピュラー・ピアノやジャズ・ピアノを弾けるようになるために取り組んできた方法や知識を中心に読者の皆さまのお役に立つ情報を公開しています。

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