コード・ネームの基本2|三和音(トライアド=triad)1〜3音のコード〜

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いよいよコード・ネームを覚えていきましょう。
まず最もシンプルなコードから覚えましょう。

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この記事は以下のような方のお役に立ちます!

コードの仕組みが全くわからない

コード・ネームの意味を知りたい

コードを基礎からしっかりと勉強したい

ピアノでの簡単なコードの弾き方を知りたい

目次

コードの定義

コード(Chord)とは?

そもそもコードとは何のことでしょう?日本語では「和音(わおん)」と言われます。

コードは3つ以上の高さが異なる音の集合体で、3度で音が重なっていることが原則です。3度は、音程(音と音との高さの間隔)の中で2つの音が最もまろやかに綺麗に響き合う音程です。

3度とは、ピアノの白鍵上で隣の音ではなく隣の隣の音です。ドとミの組み合わせ、レとファの組み合わせなどが3度の音程になります。ドとレの組み合わせ、ミとファの組み合わせなどの隣の鍵盤との組み合わせは2度の音程となり、2つの音が綺麗に混じり合わなくて少し耳に痛い響きになります。

ある音から3度で音を積み重ねていくと、綺麗に響いて和音(コード)が作られます。

五線上に表すとこんな感じです。

コードの構成

上記のコードの一番下の音となるある音がコード・ネームのアルファベットで表されている音なのです。

ポピュラー・ミュージックでは、音名は英語読みの英音名を使います。

一番下のある音のことを根音こんおん)と呼びます。英語ではルート=root)と呼び、こちらの呼び方を使う方が多いでしょう。

その上に原則として3度ごとに音を重ねて、重ねる音程の組み合わせによって様々なタイプのコードができます。

三和音=トライアド(triad)

長三和音=メジャー・トライアド(major triad)|最初に覚える一番簡単なコード

ルートの上に3度で2音重ねた3つの音でできているコードを三和音と言います。英語ではトライアド(triad)と呼びます。

その中で、明るい響きを持つコードを長三和音、英語ではメジャートライアドと呼び、コードの中で最もシンプルな構成で最も安定した響きを持つコードです。メジャートライアドをメジャーコードと呼ぶ場合もあります。

コード・ネームとは、ルートとコードの構成音との音程がどうなっているのかを示した記号です。

メジャートライアドは、ルートからの音程が長三度の音と完全五度の音が積み重なったコードです。このコードのコード・ネームは、最もシンプルにルートの英音名だけで表記されます。

長三度とはCとEの音程のことです。DとFの音程は短三度と呼ばれます。

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えっ?ちょっと待って!CとEの音程とDとFの音程がどうして違うの?

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音程というのは音と音との間隔のことです。じゃあ、上の鍵盤の絵を見て、CとEの間の鍵盤の数とDとFの間の鍵盤の数を数えてみましょう。

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えっと、CとEの間が5個分、DとFの間が4個分だ。

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よくできました!と言うことは間隔が違うと言うことだから音程が異なると言うことですね。音程が異なると言うことは響きも異なると言うことなんですよ。

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ふーん、それで色々な音程の組み合わせによって色々な響きのコードができるんだね。

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そう言うことです。その組み合わせを示した記号がコード・ネームなのです。

音程は コード・ネームの基本1 で数え方を確認しましょう。

前置きが長くなりましたが、以下がコード・ネームCで表されるコードです。

Cの構成

他のルートのメジャーコードも弾いてみましょう!

3つのメジャーコード
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まずこの3つのコードを覚えましょう!

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3つだけでいいの?

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はい!この3つのコードだけでも結構弾ける曲があるんですよ。

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3つだけならすぐに覚えられそう。

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実際に弾いて響きも感じて覚えてくださいね。

簡単な3つのメジャーコード

基本型と転回型

それでは実際に弾いて覚えましょう。

ここで大切なことがあります。

コードはそのままの形(基本型)で弾くことはほとんどないのです。

ほとんどの場合コードは構成音の並び方を変えて弾くのです。

例えば、上記のコードを続けて弾くとしたら、CからFに移る時に少しポジションが離れているので弾きにくいんですね。

もっと簡単に効率よく弾けるポジションがあります。そこでまず覚えていただきたいのが転回型です。

基本型と転回型

ルートが一番下にあってその上に3度で音を重ねた型を基本型と言います。

上記のように、Cのコードの場合、ドミソを1オクターブ上に上げるとミソドになり、ミソドを1オクターブ上げるとソドミと言う形になりますね。このように、下の音を上に上げて上下が逆になった形を転回型と言います。

コードの構成音を並び替えることを音楽用語でヴォイシング(voicing)と言います。転回型を作ることはヴォイシングの第一歩目です。

上記の中から、横の流れのつながりが良く近いポジションで弾ける型を選んで組み合わせます。

基本型と転回型をつなげる

このように、Cは基本型、Fは第二転回、Gは第一転回を組み合わせると、手のポジションを移動させなくても近くで弾くことができます。(FとGは1オクターブ下げたポジションです)

3つのコードをこの型で弾いて覚えましょう!

まとめ

  • コード・ネームは、アルファベットと数字の組み合わせで出来ていて、アルファベットは一番下の音(ルート)の英音名です。
  • コード・ネームは、ルートとそれぞれの構成音がどのような音程なのかを示した記号です。
  • コードは、三つ以上の高さの異なる音が、原則として三度で積み重ねられた音の集合体です。
  • コードの最もシンプルな形は、三音で出来ているメジャートライアド(メジャーコード)です。
  • コードは基本型のまま弾くのでなく、ほとんどの場合並び替えて弾きます。まず基本型と転回型を組み合わせたパターンを弾いて覚えましょう。
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今回はコードの基本中の基本について解説しました。コードの仕組みを知っておいた方が色々なコードを覚えやすいです。そして実際に弾きながら覚えていってください。今日覚えた3つのコード使えばたくさんの曲が弾けますよ!

参考文献 : 音楽学校MESAR HAUS THEORY STEPⅠ (BY MASAHIKO SATOH)

この記事を書いた人

tomoyo atsumiのアバター tomoyo atsumi Jazz Pianist / Composer

音楽学校で30年間にわたり講師を務めてきた経験をお伝えするために当サイトを執筆、運営しています。ポピュラー・ピアノやジャズ・ピアノを弾けるようになるために取り組んできた方法や知識を中心に読者の皆さまのお役に立つ情報を公開しています。

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